男の人に褒められたことが嬉しくて
脳内お花畑の私はニヤケ顔を隠せないでいる。
左和季君が呆れ顔でこっちを見ていたが、小さなため息を吐きながら「送る」と一言。
倒れている私の自転車を起こして、そのまま押しながら歩き始める。
「ありがとう」
「別にいい。つかお前、こんな時間に出歩いて女がひとりで危ないだろ。」
「バイト帰りなの」
「バイト……?なんの」
「ここの近くのコンビニ」
「近いからって更に近道使って、わざわざ暗いとこ通るな、危ねーだろ」
「……うん」
ごもっともです。
って、言いたいところだけど。
夜道で絡まれて、喧嘩買っちゃう左和季君も左和季君だと思う。
一応助けてもらったから、さすがの私でもそんな生意気なこと口が裂けても言えないけど。