コンビニバイトの帰り、時刻は22時を回っていた。



自転車を濃いでマンションまで急ぐ。



マンションから一番近いコンビニをバイトに選んだはいいけど、やっぱり夜道ってだけで恐怖心が増す。



今日も店長からもらった廃棄弁当をグリップに掛け、風でカサカサと音を鳴らせるレジ袋は自転車を漕ぐ度にユラユラと揺れる。



怖いけど、正直早く帰りたい。


普段よりも疲れている時は狭い近道を警戒しながら通る。



夜風を浴びて、短い髪を靡かせていると。



人生って最初っからクライマックスなとこあるよね。



思わず急ブレーキ。


目の前には……左和季君、だけならよかった。



左和季君が男の胸ぐらを掴んでいる場面にバッタリと遭遇してしまう私って、やっぱりついていない。