「もう意地悪しねーよ。
 じゃあハッキリ言うわ、小羽に会いたかった」


「……っ」


「顔赤い。なに、意識したか?」



よく顔が見たくて、額に触れるフリして小羽の前髪をあげる。


恥ずかしさで顔を真っ赤にする小羽に、可愛らしいだけの感情じゃ済まされない
波の様に際立つ鼓動の音が襲ってきた。



おうおう、一丁前にドキドキしてんなー俺も。


顔には出てないと思うが、口角くらいは上がってんだろ。



ほんと、らしくねーな。
こいつ目の前にすると。




染めたことすらない真っ黒な髪は思わず触りたくなってしまうボブカット。


丸い顔に大きな瞳。


薄いピンク色の唇。


美人よりも可愛い方だな。


今まで相手にしてきた女は、美人で従順な奴が多かったが。


こいつは真逆だ。


可愛い顔して俺にすら容赦ないんだから、燃えんだろそんなの。