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「わぁ……!綺麗だね左和季くん!!」



放課後、左和季君が私の学校の校門で待っていた。

そのままマンションに送ってくれるのかと思いきや
前に連れてきてもらった左和季君のお気に入りの場所、展望公園で降ろされる。



「夜景目当てで来る奴らが多いけど、夕方の景色もいいんだよここ」


「本当だね~、夕焼けに街が呑み込まれてるみたい」



子供みたいにはしゃぐ私とは違って、なんだか左和季君がいつもより大人しいことに違和感を覚える。



「左和季くん……?」


覗くように左和季君を見上げると。


夕焼けを映し出す彼の目がオレンジ色に輝いて見える。



「らしくねーけど……この間の件で、不安になってんだよ」


「……へ?」


「お前にあんな思い、もう二度とさせたくない」


「……」




「……色々考えたけど、それでもやっぱ離れるって選択肢だけはねーわ。」


「……っ」