左和季君がバイクの鍵を美喜矢君に渡す。

何だかんだ言いながら、世話を焼いてくれる美喜矢君のお言葉に甘えて停まっていた車に乗り込むと。


ドッと疲れが押し寄せてきて、左和季くんの肩に無意識に凭れかかってしまう。


「小羽、寝てろ」


「……んっ」


「マンションに着いたら起こす」



私の髪を優しく撫でる左和季。


その手がひんやりとしていて気持ちいい。



瞑った目は、優しい左和季君の言葉にすべてを任せるように意識を遠退かせた。