「ハッ」


「えっ、どうしたの左和季。」


「思い出し笑い」


「……やーっぱ左和季機嫌いいよね?いつも無表情なのに思い出して笑うなんて気味が悪い」


言いたい放題の美喜矢に閉じた雑誌を軽く投げると、蚊を叩くようにキャッチしページを捲り読み始める。


今この状況で雑誌読み始めるんだから、コイツほんと自由人だよな。



「あーあ、松茂さんのせいで会いたくなっちまったじゃねーか」


「……えっ?俺に?急に素直になるとかキモいぞ左和季」


「松茂さんのことじゃねーよ。つかもう既に会ってるし。」


「ま、まさか女にか?
 えっ、左和季今女いたっけ?」


「そんなわけないでしょ。左和季が『女に会いたい』なんてピュアな発言すると思いますか?この遊び人が?ハハッ頭でもそこら辺にぶつけたんじゃないですか」



美喜矢は相変わらず言いたい放題だな。


女みたいに可愛い顔してるくせに、とんでもねぇ毒舌野郎だ。