「おりてこい」
「……」
「早くしろ」
「……チッ」
左和季君の言葉に渋々従う男。
一瞬男と目が合う。
それだけのことで体が震えてしまう。
この人に……さっきひどい事されそうになったからかな?
左和季君がいるって分かってるのに怖い。
「来るの早すぎだろ左和季。お前の足止めに俺以外行かせたのに。」
階段からおりると、不服そうに男が言う。
「その足止めなら、蛇狼と蛇狼以外の連中が相手してる。
……お前ら相当色んなチームに喧嘩売ってたみたいだな。簡単に協力してくれたぜ?」
「……」
「雪紅の奴らも、邪魔してきた奴らは捕獲済みだ」
「なんで俺がここにいるって分かった」
「お前らと雪紅が組んでいた事なんてそんなの調べれば一発でわかんだろ。
あと、お前ら行動が分かりやすすぎんだよ。」
「……」
「お前この前俺を瞑静の溜まり場に呼んだだろ?
そこにお前が居ないってことは、雪紅の倉庫に居座ってるとしか考えられない。
姿を隠すにはうってつけの場所だからな」
「お前にはぜんぶお見通しってわけかよ」
「そうでもない、お前と雪紅のことを調べてたのは美喜矢だし」
「……」
「おまけに蛇狼を簡単に動かせてくれたのも、指揮をとる松茂さんだし」
「……」
「ほんといい仲間持ったよな~俺。
手土産にお前を渡せばOKだとよ。」
「……」
「つーわけで……」