「小羽……っ!」
「左和季君!!」
左和季君がこっちに向かってくると、何かに気づいて顔を歪めた。
「……っ!?小羽後ろだ!!」
「……っ!?」
左和季君の言葉に反応して、目の端で後ろを見ると男が私に向かって手を伸ばしていた。
絶対に捕まりたくない。
捕まったら今度こそ終わりだ。
男の手がスレスレ私のセーラ服の襟に触れたような気がしたけど、そんなの気にしていられない。
必死に階段を飛び出すように降りた瞬間。
「……っ、きゃっ!?」
ーーズルッと階段を踏み外す。
宙に浮いた感じもなく、怖くてとにかく目を瞑る。