『ーー場所は、瞑静の溜まり場だ』



男は場所を口にすると、すぐに電話を切った。



瞑静の溜まり場なら一度行ったことがある。


解散してから、ただの廃墟と化したって聞いたが……まだあいつら、あそこに居座ってたのか。



つか、そんなことよりも小羽だ。

早く助けに行かねーと。



跨がったままのバイクにエンジンを掛け、一刻も早く小羽の無事を確認したくて言われた場所へと走りだした。










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しばらくして着いた瞑静の溜まり場は、いつ見ても荒れた廃墟で人ひとり寄り付かなさそうな不気味さを纏っている。



バイクからおりた瞬間、パキリと音がした。


下を見ると、ガラスの破片がそこら十に散らばっている。