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「もう!!左和季君……あんなところでなんてことするの!!」


学校から逃げるように出て数分が経つ。


無事にマンションに戻ってこれたのはいいとして。


保健室での出来事が恥ずかしくて、茹でタコ状態の私とは違い
左和季君は玄関で知らん顔をしている。



「恥ずかしい……学校であんなことするなんて」


「いいじゃねーか、たまには刺激も必要だろ」


「……」


左和季君のおかげで毎日が刺激的だよっていうツッコミすらする気力もない。



小さなため息を吐くと、左和季君が私の頭を撫でる。



「……左和季くん、私怒ってるんだよ」


「知ってる」


「頭撫でて機嫌とったって、許してあげないんだから」


「別にいい。不安がるお前を見るよりはずっとな」


「……ずるい」


「まあな。」




左和季君はずるい。


そうやって簡単に、私の不安を取り除くんだから。



やっぱり誰にも渡したくないなって思ったよ。



絶対に。