「あら、五月女君いたの」


「よう、さっちゃん。
 気分が悪いから少し横になってた。」


「さっちゃんじゃなくて先生と呼びなさい。
 五月女君が保健室なんて珍しいじゃないの。
 先生今から教頭先生とお話があるから見てあげられないけど、気をつけて帰るのよ」


「あぁ。」



机の引き出しを開ける音がして、その後すぐに慌てた足音が保健室から出ていった。


左和季君が私を隠していたシーツを裏返す。



「もういいぞ」


「……し、死んじゃう。バレたかと思ったよ」


「同じベッドの中に男女がふたりとか、バレたら停学どころじゃ済まされないだろうな。」



軽く笑う左和季君。


全然笑い事じゃないんだけどなぁ。


「それにしても左和季君、よく先生が来ること分かったね」


「足音が聞こえたからな。
 つか、それよりも」


「きゃ……!?」