むき出しの膝をスカートで隠してから立ち上がる。
救急箱を棚に戻す左和季君が、軽く一息ついてから私を見る。
「……それで?小羽から俺の学校に出向くの珍しいじゃん。つか、初めてだよな?」
「あっ……」
保健室で左和季君に手当てしてもらっていたおかげで、忘れてた。
……変なの。
ここに来るまでは、転んだことすらどうでもいいくらいに不安の方が勝っていたのに。
「あの、ね」
「ん」
「昨日、私がバイトしてるコンビニに有栖川さんが来たんだけど」
「またあいつか。何もされてないだろうな?」
「うん……されてはいないんだけど。でも」
「でも?」
「左和季君が族狩りに襲われそうになってたって……」
「……」