イスに腰を下ろすと、左和季君が棚から救急箱を取り出して、私の脚に触れる。
「……っ」
くすぐったい彼の指先に、思わず反応しちゃう。
「なに感じてんだ?」
「……っ!左和季君ってバカなの!?」
「冗談だろ、ほら出来た」
一瞬で終わる、傷の手当て。
左和季君ってもしや魔法使い?!ってツッコミたくなるくらい、てきぱきとした手つきに驚く。
「左和季君器用だね~」
「……そういえば小羽、手当ての時俺の体中に絆創膏貼ってたよな。」
「わ、忘れてよ!!」
あの時は見ず知らずの男の人の体に触れるのが恥ずかしかったからであって……!
私だって傷の手当てくらい、やればできる子だもん!!……多分。