「ねぇ、勝手に他校生の私を連れ込んで大丈夫なの?」


「怪我人手当てしようとして怒る様じゃ、先生でも何でもないだろ。
 くだらねぇこと気にしてないで、自分のことだけ気にしてろ」


「……」



強引なのに優しいから全然嫌じゃない。


左和季君って日を追うごとに過保護になっていってる気がする。



運がいいのか何なのか。
先生に会わずに保健室まで来てしまった。




「保健室の先生もいないね」


「そんなことはどうでもいいが、小羽イスに座れ。消毒してやる」


「えっ、左和季君がするの!?」


「当たり前だろ。
 あー、そういえば。初めて会った頃、お前が俺の傷の手当てしたんだよな?
 立場逆転じゃん、たっぷりお礼してやるよ」



「左和季君が言うと、悪役の台詞みたいに聞こえるのはなんでだろう」