「小羽、その足どうした」
「へ?って、……さわきくん!?」
急に私の前に跪く左和季君が、さっき怪我した膝をじっくりと見る。
スカートのせいか、それとも人通りの多い校門だからかな、いや多分どっちも。
恥ずかしくて思わず一歩下がる。
それに左和季君はその場に居るだけで目立つから、この光景を見た私達の横を通りすぎていく人達の間で変な噂が立っちゃったら大変だよ。
「左和季君立ってよ……皆見てるよ?」
「誰にやられた。」
「いや誰にもやられてないよ?ここに来る途中で転んだだけ」
「嘘ついてないだろうな?」
「うん」
「そうか」
ホッとした表情を見せる左和季君。
……私、また左和季君に心配かけちゃったな。
心配かけたくて、会いに来たわけじゃないのに。