もう少しで左和季君の通ってる学校に着きそうなのに。
このまま元気ない顔で会ったりなんかしたら、心配かけちゃう。
首を横に振って気を紛らわせる。
すると。
「きゃっ……!?」
後ろからやってきたバイクの音に驚くと。
考え事をしていたせいで、我に返った瞬間
ーードサッと何も無いところで転んでしまった。
「……っ、いたい」
転ぶ私の横を通りすぎていく一台のバイクを見てホッとしちゃう。
瞑静の件もあってか、異常に反応しちゃうな~。
今狙われているのは、私じゃないのに。
……左和季君本当に大丈夫かな。
アスファルトについた手の汚れを払って、体を起こすと、転んだせいで膝が怪我をしてる。
でも左和季君を待たせてるから早く行かなきゃ。
少し痛いけど、歩けない程度じゃない。
気にしないようにして、アスファルトの上を歩いた。