いや、感謝されるのは私の方なんですけど。
「あのですね、私だって知らない男部屋にほいほいとあげちゃうほどそこまでバカじゃありませんよ」
「ん?」
「けど、怪我してる人放っておけないし善意の方が勝っちゃったんです」
今はその善意にものすごく後悔してるけど。
「……学生服、洗っておきますね」
洗面所に放置されているであろう、男の学生服をさっさと洗って乾かして帰ってもらおうと重い腰を上げる。
すると。
「ひっ!?」
後ろから伸びてきた手が私のお腹に回される。
ガッチリと掴んで離さないと言わんばかりの力で体重任せに男がベッドに私を巻き込みながら倒れる。