「左和季くん!危ないことはしちゃ駄目だって言ったのになんで無茶するの!?」
「……急に大きな声だすな、驚くだろ」
「左和季君に言われて来たのに、私が来なかったら危ないことになってたじゃんか!」
「つーか、呼んでねーし」
「え?」
「それこそお前をあんな危ないとこに行かせるかって。
なのに総長も"お使い"なんて言ってとんだお節介だったな」
「……?」
「まあ、お前と今日会えると思ってなかったから俺的には嬉しいけど」
覗くように顔を見られ、隠さない左和季君の甘い言葉に思わず目を逸らしてしまう。
だけど、さすが左和季様。
目を逸らそうが、こっちが返事をしないなんて関係ないみたい。
左和季君の人差し指がくるくると、私の毛先を絡めとる様に触れてくる。
「な、なに」
「お前がこっち見ないのが悪い」
「触っちゃ……駄目だってば」
「髪も駄目なのかよ。
ワガママだな」
「……左和季君、誰にでもこんなことしてるの?」
「は?」