どうしてか不機嫌な男のスウェット姿は、体は細いのに身長があるせいでピチピチだ。


お腹ちょっとだけ見えてて、なんだか笑ってしまう。



「へっ」


「……なんだその色気ねー笑い方は」


「……。
 それお父さんのだけど、一回くらいしか着てないから安心してほしい」


「父親の?嘘ついてんじゃねーだろうな」


「なんで嘘つく必要があるんですか!
 それよりご飯できましたよ!ささ、食べてください」


「……あ?」




もう完全にお客さんを出迎えるモードで機能している私は、真っ白なお皿にチャーハンを丸く盛って

鼻歌交じりに、テーブルに置いた。



男はまさかご飯まで振舞ってもらえると思っていなかったから、ポカンとした顔の後すぐに手に持っていたものをゴミ箱に捨てる。


シャワー浴びる前に剥がしたんだろうな~、私が貼りつけまくった絆創膏。


「つか、お前手当て下手すぎ。俺の身体中に絆創膏貼ってんじゃねーよダセェな」


「えー!?消毒もちゃんとしたしいいじゃないですか!」


「傷がある場所に貼ればいいってもんじゃねーだろ。
 まあいいや、ありがとな」


「……最初っからお礼だけいえばいいのに」



「あ?俺が意識ないときに身体中好き勝手触りまくってた女が無駄口叩くんじゃねーよ」



「だから!手当てで仕方なくですから!!
 あなたの体なんか触ったって面白くもなんともないですし」


「……ほー、言ったな?」