「……なんで小羽とお前がいんだよ。」


「総長命令。お前が面倒起こしそうだったから、狂犬に必要な番犬連れてこいって。」


「番犬?いらねーだろ。いつもよりは我慢できてたしな」

「そんなことより、さっきからこの女プルプル震えてるから、さっさとふたりでどっか行ったら?
 こいつらは俺が引きずってでも総長に渡しておいてあげる」


「……」



美喜矢のことだから、自分の手は汚さずに制裁を加えるんだろうな。


可愛い顔してやる事がしたたかだ。



まぁ……こいつに任せとけば、松茂さんはなんとかなるだろ。



「行くぞ、小羽」


「……えっ?あっ、うん」


小羽の手を握り、この場から離れる。


後ろから男三人の野太い悲鳴が聞こえてきたが、知らない振りをした。