とは言ったけど、悪いな松茂さん。


面倒事は自分で片付けるから、そこんとこ勘弁してほしい。


うるさい集団から少し離れ、光を遮った橋の下にひとり移動した。



橋を支える部分に凭れかかり、数分待っていると。


ジャリっと砂を踏む音が聞こえる。



「……やっぱ来たか」


予想通り、ひとりになれば相手から来てくれるこっちの罠に
こうも簡単に引っ掛かってくれると、緊張感ってもんがない。



目の前には三人の瞑静の奴らが私服で立っていた。


特攻服の集団が目立つなかで、私服ということは蛇狼に紛れていたつもりだろうが

反って目立ってしまっている。



それに悪いが、下っ端だろうがメンバー全員の顔を覚えておくのが蛇狼の習いだ。



蛇狼以外の奴が紛れ込んでることくらいお見通しだ。