まあ、言いたい放題の美喜矢と松茂さんはさておき。


好きでもない男と一夜を明かすほど、小羽のガードは甘くない。


つー事は、嫌われてはいない……よな?


そもそも迫ってあんな風に顔真っ赤にされちゃ
意識してんのがバレバレすぎて、コイツ俺のこと好きだろって思っちまうな。



「……」


できるだけアイツのペースに合わせてあげたいが
俺も男だ。


どうしても欲には負けてしまうのが正直なところ。



しかも相手が小羽ときたら余計にな。



中毒者かって言いたくなるくらい、俺は最近あいつがほしくて堪らなくなる。




甘やかしたいし

独り占めしたいし


……時には泣かせたくなるな。


別に悲しい思いをさせようとかそんなんじゃない。


まだ俺に見せてない表情が見たいだけ。




「……会いてぇー」



ボソッと口を衝いて出た言葉は冷風かって言いたくなるくらい、松茂さんと美喜矢に鳥肌を立たせていた。




「いっつもひとりで行動したがるくせに、なにが『会いてぇー』だよ。」


「恋にうつつを抜かすのはいいけど、そろそろ他のチームも来る集会があるんだから問題起こさないでよね」