【 臆病者 】



「 僕にはもったいないよなあ 」



ゆるく、軽やかにはねる黒髪に

吸い込まれそうな瞳

笑ったとき片方だけにできるえくぼ



全部、全部、独り占めしたい

僕だけのものにしてしまいたい







少しでも

こっちを見てほしい振り向いてほしい


その一心だったあの頃


無関心だったファッションも

見様見真似で勉強したし

左耳に1つだけ穴も開けた