「ありがと、嬉しい」



「わっ!」



私の返事を聞いた露人くんは
本当に嬉しそうに笑うと
勢いよく抱きついてきて……




ってここ!みんないるから!!




その後も露人くんは
私の側から片時も離れず




同窓会は何だかよくわからない
状態で幕を閉じたのだったーーー。



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「同窓会、なんかやばかったね……」



同窓会の帰り道
みんなと別れて七瀬と
2人で歩いていると




七瀬が疲れきった顔で
溜め息をついた。



「まさかあの露人くんの正体が……」



「あのあとアイツもクラスメイトに囲まれたりしてたしな」




昔イジメられてたのが
嘘のように一気にチヤホヤ
されてたなー……




ってそうじゃなくて!!




「これからどうしよ……」



「え?別に付き合えばいいじゃん?憧れの露人くんじゃん。つか2回もフルのは流石に可哀想すぎる」



「いや、そーなんだけど……。」




なんかそんなホイホイ
決めてしまっていーのかーーー?




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「ただいま」



寂しいアパートの一室に
自分の声が反芻して響く。



「ちょっと飲みすぎたなぁ」



そんなことを呟いて
ベッドへとダイブする



なんかいろいろ疲れた……
明日が土曜日で休みだと
いうことに幸せを感じる。



なんか流れで連絡先
交換しちゃったけど
本当に連絡なんてくるのか?



いくら学生時代が冴えない
モサ男だったにしろ



今は誰もがその容姿に
惹かれ恋に堕ち


抱かれたい男NO.1に
輝くような美しくも
気高い人気若手俳優なわけで…



そんな人が高校時代に好きだった
特に何の変哲もない私を



離れている間も
ずっと想っていたなんて
どうしても信じられない。



~♪~♪~♪~♪~♪



突然、携帯の着信音が鳴り響く。



ガバッと起き上がり
カバンを漁って携帯を取り出すと
画面には"露人 波瑠"の文字



え、うそ……
さっきの今でもうかかって来るなんて……