「いやいや何を言ってるんですか……露人くんが、あの地味で冴えないメガネチビの平良なわけないじゃないですか……アハアハハハハ」



壊れた機械の如く乾いた笑いを
漏らしながら目を泳がす。


嘘だ嘘だ嘘だ!
そんなわけない!!



一方、露人くんはアハハと
苦笑いしながら



「うわぁ、酷い言われようだね。でも……」




はいっと何かを私に差し出す。
そこには1冊の生徒手帳があった。




「へ?生徒手帳?」



「うん、それ見てもらえれば信じてもらえると思うけど……。」




露人くんから生徒手帳を
受け取った私は恐る恐る
それを裏返してみる




そこには確かに
あのモサ男くんが
写っていて……



ちゃんと平良 波瑠って
書いてあるーーーーー。




「うそ……」



「だから嘘じゃないって」



信じられない……
あのメガネの下が
こんなイケメンだった
とでもいうのーーー?




「ちょ、愛!それ見せろ!」



突然、横からパッと
生徒手帳を取られたかと思えば
衛が、この上なく真剣な顔で
生徒手帳を凝視している……。




「衛……これは現実?ちょっと頬つねらせて」




そう言って衛の頬を
思いっきりつねると



「いででで!愛てめーふざけんな!俺で試すんじゃねえよ!!」




「あ、やっぱり夢じゃないんだ……」




「おい!人の話聞けよ!」




「あははっ……相変わらず二人とも仲いいんだね……」




私と衛のやり取りを見てか
突然、大笑いを始める露人くん。