「やめてよ!黒歴史思い出させないで!告白云々抜きにしても高校生で正義のヒーロー気取りは痛すぎる!!」



「そりゃ、もっと早く気づくべきだったな愛w」



「うっさい衛!美香、あんた彼女ならコイツ黙らせなさい!」



「はいはい。まも、アンタこれ以上、愛いじめたら私が許さないよ」



「ひっ、美香怒らせると怖いからやめとこ」



「やーん♪美香男前♪」



目をハートにして美香に抱きつく私に
また笑いが起こる……やっぱり高校時代の
同級生たちと一緒にいるのは凄く楽しい。




そんな中……突然、会場内が騒がしくなる。



「えっ?嘘!!」


「なんでここに!?」



騒がしい方へ先に視線を向けた
美香と春が驚いた顔で固まる。



私と衛も続けて2人の
視線の先へ目を向けたーーー。




すると目の前に……



私の憧れの俳優……
露人 波瑠が笑顔で立っていた。




「あ、花咲くんと西嶋さん……他にも皆お揃いで。久しぶりだね、覚えてる?」




テレビの中で見てるいつもの
爽やかな笑顔で私たちに近づいてくる。



私も七瀬も口をあんぐり。
いや私たちだけじゃない……
会場中のクラスメートたちが
唖然としていて……



「あれれ?みんな大丈夫?」



固まって一言も発さなくなった
みんなを見て困り顔をする露人くん……。



はぁぁ//////
そんな表情ですら愛おしい!!



ーーーーーーーじゃなくて!!



「えっと……何故ここに露人くんが……?今は楠高校の同窓会で、露人くんが来るようなところでは……あっ!!きっと会場を間違えたんですね!?今日は撮影かなんかですか??」



固まって話せないみんなに代わって
何とか言葉を紡ぐも……



テンパりすぎて、正直、自分でも
何を言ってるのか全く分かってない。




「ははは……あまりの変わりように覚えてないかな?……昔、君に告白してフラれた平良 波瑠だけど?」




………………はい?



会場全体がどよめく……



「うっそ……あのちっこくてモサかった……?」



「いやいや、有り得ないでしょ……」



あちらこちらでコソコソと
会話が交わされる。



そりゃ、そうだ。



この抱かれたい男NO.1の
イケメンハイスペック男子が
あのちっこくてモサかった平良だなんて
誰が信じられるだろう???




否……もちろん私も信じられない……。