しばらく仕事の話やら
世間話やら他愛ないことで
盛り上がっていたのだが
完全に酔ったのか
いきなり机をバンッと叩いて
「そんなことより!!」
私を指さすーーーーーーー。
「なんでアンタ私に言わなかったのよ!」
「七瀬、声でかい。」
「うるさい!いいから答えなさい!」
七瀬と私の様子を見ながら
吉田くんはあたふたして
部長も驚いたような顔してる。
「七瀬、部長と吉田くんびっくりしてるから。」
「あ……。コホンっ。聞いてくださいよ御二方、この子ったら私に内緒であの人気若手俳優の露人 波瑠とデートしてたんですよ」
「え!?露人って……あの露人 波瑠ですか!?」
七瀬の発言に驚いた吉田くんが
素っ頓狂な声をあげる。
「シーッ!吉田くん声大きいよ!!」
「あっ……西嶋先輩すいません……。」
「デートというか……映画一緒に見ただけだし……」
「それを世間一般ではデートって言うのよ。」
「だとしても、別に付き合ってるわけじゃないし……」
「あの……話が見えないんだが……?」
私と七瀬のやり取りをよそに
訝しげな顔で尋ねてくる部長。
「あ、すいません。この間、高校の同窓会があったんですけど……昔、同クラにちっこくてモサい男子がいて、愛に告ってフラれたんです。そして、同窓会で久々に会ったら……まさかの変貌を遂げてて……」
「つまり、その同級生が露人 波瑠か」
飲み込みの早い部長は
瞬時に話の内容を理解すると
何故か不機嫌な顔になったーーー。