「質問の事は気にしなくていいよ。どの道、愛には話す予定だったし。君に好きになってもらうには、まず自分のことを知ってもらわないとね」



そう言ってまた微笑む。



頭ポンに発言に微笑みが重なって
思わずドキッとしてしまう。



その合わせ技はズルい。
こんなん女性は誰でも惚れてまうやろ!!



そこでブーッとブザーが鳴り
室内がどんどん明かりを落としてく。




映画が始まると、さっきのドキドキを
打ち消すように静かに画面を見入ったーーー。



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「いやー!楽しかった!!見れて良かったぁ!」



約2時間の映画が終わり
映画館を出て夕食の為に
やってきたレストランで
顔を緩ませる。



「まさか自分が出てる映画を映画館で見ることになるとは……。まぁ、でも愛が嬉しそうだからいっか。」




「あれ、すごく見たかったから!一緒に見てくれてありがとう。」




「もしかしてもしかすると……愛は俺のファンだったりする?」




「………………え」




「あっ、いや違うならいいけど…………って顔真っ赤。どうやら図星のようだね」




突然、ファンという単語が出て
思考がフリーズする。



私が露人 波瑠のファンだって事が
本人に知られるリスクなんて
考えていなかった……!!



恥ずかしい………!!



「あ、えっと……。実はデビュー当時からファンでして……」




「デビュー当時から?それは、とても嬉しいな。」




クスクスと笑う露人くん。
恥ずかしすぎて顔が見れない!!



「まあ、とりあえず、早く食べよ?冷めちゃうよ?」




「そ、そうだね!いただきます!」



とりあえずファン云々のことは忘れて
露人くんに促されるまま料理を口に運ぶ。



「美味しい!!」



「でしょ?ここ、俺の行きつけのレストランなんだ。ちょっと高級でお高いけど、ここの雰囲気がとても好きなんだ。落ち着く。」



確かに……露人くんの言う通り
ここは静かで上品でのんびりとした
とても居心地のいい空間だーーーーー。