始まりは19歳になった最初の頃

高校を卒業した私は新しい生活に慣れるので

精一杯だった。バイトも始めて、学校にも通っ

て、一人暮らしも始めた。でもそんな忙しい日

々でも悠くんのことを忘れたことは無い。

悠くんは、高校を卒業してからさらに垢抜け

た。街を行き交う人が振り返るほどだ、その頃

からだろうか。

少し、ほんの少しだけ悠くんと私との間に

距離を感じ始めたのは。

ルックスが完璧な悠くんは知らない人に声を掛

けられることも少なくない。

「ねぇねぇ!あの人かっこいい!彼女いるのかな?」

「モデルか何かしてるのかな、イケメン!」

そんな言葉を耳にする度に、私の彼氏!!

そう言いたい気持ちを抑え、いつもの待ち合わ

せ場所で待っている。

「お待たせ。待った?」

「ううん、今来たとこ」

本当は楽しみで20分も前から