性別、性格

考え方、価値観

常識、理想、体裁


段々、成長するにつれて
ぼんやりと
周りにあった色んなしがらみの
その輪郭がはっきりと分かるようになった


周りのみんなはそれを受け入れて
うまく折り合いをつけながら生きているのに


私は未だに
その落とし所を見つけられない


生き方が分からない


周りは少しづつ大人になっていくのに
私はずっと小さな子供のまま


取り残されるような感覚が
ずっと付きまとって離れない


世界からひとり取り残されるような
この感覚がたまらなく嫌だ


「…」


すがるように朔君の手を強く握る

朔君は私を一瞥してから
応えるように私の手を握り返した



……このあたたかさを頼りに生きてきた


私がどんなに臆病でのろまでも
見捨てないで、朔君はずっと傍にいた


朔君がいるから頑張れる


ここに立っていられる



「何笑ってんだよ?」


「なんでもない」