「うん、会ったよ。連絡が取れなくなってから必死に星奈のことを探して私にたどり着いたようで、居場所を教えてくれって懇願されたの。……引っ越し先を口外しないって約束した星奈には悪いと思ったけど、お互い愛し合っているんだもの、幸せになってほしくて話したんだ」

 そうだったんだ、公佳が私の居場所を優星君に教えてくれたんだね。

「とはいえ、軽率だったね。それに今まで黙っててごめん」

 私に向かって深々と頭を下げた公佳に困惑してしまう。

「やだ、やめてよ公佳が謝ることないから。むしろ感謝しているよ、優星君に私の居場所を話してくれて」

「えっ」

 顔を上げた公佳に正直な思いを打ち明けた。

「私からは優星君に会いに行くことなんてできなかったもの。私に幸せになるチャンスをくれてありがとう。早く本当の意味で幸せになれるよう、ますます頑張るよ」

 優星君が公佳を探し出し、公佳が伝えてくれなかったら、私は今も双子と栃木で暮らしていただろう。

 そうしたら、双子の存在も成長も優星君に見せてあげることができなかった。双子の言動に彼と一喜一憂することも、家族四人の思い出も作ることも叶わなかったんだ。