「えぇー、子供がいたってするでしょ。うちは子供を寝かせてから別の部屋で週に三回はしているけどな」

「ちょっとやめてよ、そんな生々しい話を聞きたくない」

「えぇー、恥ずかしがることじゃないでしょ? みんなしていることだし。やっぱり三年ぶりだもの、燃え上がるような感覚だった?」

耳を塞いでも公佳の声は残念ながら聞こえくる。ここでなにか答えなければ、延々と追及されそうだ。

 耳を塞いでいた手を離して、子供たちに聞かれていないか確認しそっと呟いた。

「それどころか、キスもしていないから」

「えっ? 嘘でしょ」

 キョトンとなる公佳にもう一度言う。

「嘘じゃないよ。毎日一緒に寝てはいるけど、双子も一緒だし、なにより優星君は私が寝た後にベッドに入ってくるの。だから公佳が想像しているようなことはいっさいしていないからね」

 だからこれ以上聞かないでほしい。双子に聞かれたら後々質問攻めに遭って大変な思いをするし。
 そんなことを考えながら残りの珈琲を飲み干す。

「本当に香坂さんって、星奈のことを心から愛しているのね」

「え? なに急に」

 こういう時は大抵からかってくるというのに、あまりに公佳が真面目な顔をして言うものだから変に身構えてしまう。

「思ったことを言ったまでよ。まぁ、それもそっか。私と交わした約束通りに、星奈を離さないでくれたんだもの」

「ちょっと待って。公佳、優星君と会ったの?」

 初めて聞く話に驚きを隠せない。そんな私に公佳は深く頷いた。