「でも、そしたら碧が1人になっちゃう……。お弁当は1人で食べるよりも2人で食べたほうが絶対美味しいよ。
だからわたしは碧と食べることにしたの」
これは自分で決めたことだ。
後悔はない。
「ぼっちの俺を心配してくれたんですね、ありがとうございます。
俺を選んでくれるのはすごく嬉しいですけど、いつでも親離れしてもいいですからね」
碧はそう言うとお弁当を出して食べる準備。
親離れ、って……。
碧はわたしの親じゃないだろう。
え?
まさか、親だと本当に思ってるとか……そんなバカなこと、ないよね?ね?ね!?
ムカついたから、彼が食べようと箸でつまんだ卵焼きを、ぱくりと先にわたしが食べた。
「お嬢、そんなにお腹すいてるんですか?購買でなんか買ってきます?」
碧はこんなことじゃ怒らないというのはわかっている。
自分の大好物の唐揚げですら、わたしに差し出そうとする人だから。
「碧のバカっ!!」
わたしは最後にひと言いって、自分のお弁当を食べ始めた。