「もう校舎内ってあんまり人残ってないと思うけど」


「そうだよね。じゃ、走って帰ろっかな」



私は意を決して頭が濡れないように手を載せて走り出す構えをする。



「君原さんさえ良ければ、だけど。俺の傘入ってく?」


「え?」


「……って、そんなに話したことないのに迷惑だよな。ごめん、忘れて」


「や!そんなことない!むしろ、女神?って感じ……」