『はい。山口先生が僕に話を聞きたいからって…なので、今みたいに答えました』


『山口先生…』


『はい。英語の先生で、演劇部の副顧問の山口先生です』


『そっか…よくわかったよ。本当にありがとう。感謝するよ』


凛音はニコッと笑った。


『はい、失礼します』


その生徒はホッとした表情を浮かべた。


私達は彼を見送り、そして、顔を見合わせた。


それは、今まで出てこなかった名前が、佐々木先生と目撃者の好青年の2人から出てきたことに、何か「違和感」を感じたからだ。


『山口先生か…演劇部の副顧問。話を聞いてみないわけにはいかないな』


と、凛音。


『うん、そうだね。だったら、今から部室に行ってみる?』


『ああ、もちろんだ。行ってみよう』


ちょうど今はクラブ活動の時間だから、みんな部室にいるはずだ。


私達は、すぐにそこに向かった。


何か少しでも今の状況が進展するようにと願いながら…