〝ずっと一緒にいようね〟
君の声が聞こえて目を開ける。
けれど君はもうそこにはいない。
またすっと一筋の涙が私の頬を伝った。
私は城田真由。公立高校に通う2年生。
一応真由の高校は進学なので2年生から受験ムードが始まっていた。
そんな中、私は行きたい大学も決まっておらず勉強になかなか集中できなかった。
「まゆ~!放課後みんなで図書館行くんだけど一緒にどう?」
と同じクラスの女子グループの1人が私に声をかける。
「あっ!ごめん~今日ちょっと用事あってさ…」
本当は用事なんてない。
ただ、頑張ってる皆んなの横にやる気のない私がいる事が申し訳ないなと思ったのだ。
「はぁ…。」
家路をとぼとぼと歩きながら自然とため息が出る。
私は将来どんな大学に行って、何を学べばいいのかなんてまだまだ先の話としか思えないのだ。
家に帰るとすぐに部屋に籠る。
勉強している訳ではなく、YouTubeをみるためだ。
他の友だちは勉強しているのかな、と考えると少し罪悪感だ。
夜ご飯やお風呂を済ませ、ベッドにもぐりTwitterやインスタを確認する。
そして1:00頃私は眠りにつく。
また翌日も普通に1日が始まる。
朝起きて、学校に行き、授業を受け、帰ってきて、寝る。
こんな何の変哲もない毎日がただただ繰り返されるのだ。
そんなある日…
「まゆっ!!危ない!!!!」
ドサッ……
体育の時間に前を見ないで走ってきた男子とぶつかって足を捻挫してしまった。
「いっ…たぁ……」
足は赤く腫れあがった。
この日私は早退して母と病院へ向かった。
「中度の捻挫ですね。全治5、6週間はかかると見ていた方がいいでしょう。また来週病院に来てください。」
お医者さんにはそう言われた。
「お母さんまだ仕事残ってるから家に帰って1人でも大丈夫よね?」
私がうなずくとお母さんは何かあったらLINEしてね、と私を部屋まで送ってくれた。
私の手には松葉杖が握られている。
次の週、また私は病院へやってきた。
今日は帰りにお母さんが迎えに来てくれるだけで病院では私1人だ。
もう高校2年生なんだから当たり前だけど。
「呼ばれるまで時間かかりそうだなぁ…」
予約券を手にしてぼそっと呟いた。
整形外科はいつも混んでいて座るところを見つけるのにも苦労するくらいだった。
私は松葉杖をつきながら病院の中を少し見て回ることにした。
平日なのに大きな病院ということもあり、どこも混んでいた。
エレベーターで2階へ上がると内科がずらりと並んでいた。
呼吸器内科、循環器内科、糖尿病内科…
と見ていると血液内科の待合室に私よりすこし年下くらいの男子がいた。
肌が白くて髪は栗色で目は透き通るような茶色。
とっても綺麗で思わず目が離せずにいると、その男の子が微笑んだ。
「あっ…」
思わず声がでた。
その男の子は立ち上がって私の方へ歩んできた。
「こんにちは。迷子?」
その男の子はとても優しい声をしていた。
そして座っている時にはわからなかったが、少し私よりも背が高い。
「えっ…いえ…違います」
その男の子は少し不思議そうに私の足を見つめた。
「整形は1階だよ。転んだら困るから僕下まで送るよ。」
そう言ってくれた。
「ありがとう。」
「僕は琥珀。森琥珀。」
ゆっくり廊下を歩いてる途中に彼はそう言った。
「私は城田真由。よろしくね」
そういうと彼は嬉しそうに微笑んだ。
「琥珀くんはさ、どっか悪いの?」
「友だちのお見舞い。」
彼はそう答えた。
じゃあもう会えないかもなぁ~とか私は思ってた。
君の声が聞こえて目を開ける。
けれど君はもうそこにはいない。
またすっと一筋の涙が私の頬を伝った。
私は城田真由。公立高校に通う2年生。
一応真由の高校は進学なので2年生から受験ムードが始まっていた。
そんな中、私は行きたい大学も決まっておらず勉強になかなか集中できなかった。
「まゆ~!放課後みんなで図書館行くんだけど一緒にどう?」
と同じクラスの女子グループの1人が私に声をかける。
「あっ!ごめん~今日ちょっと用事あってさ…」
本当は用事なんてない。
ただ、頑張ってる皆んなの横にやる気のない私がいる事が申し訳ないなと思ったのだ。
「はぁ…。」
家路をとぼとぼと歩きながら自然とため息が出る。
私は将来どんな大学に行って、何を学べばいいのかなんてまだまだ先の話としか思えないのだ。
家に帰るとすぐに部屋に籠る。
勉強している訳ではなく、YouTubeをみるためだ。
他の友だちは勉強しているのかな、と考えると少し罪悪感だ。
夜ご飯やお風呂を済ませ、ベッドにもぐりTwitterやインスタを確認する。
そして1:00頃私は眠りにつく。
また翌日も普通に1日が始まる。
朝起きて、学校に行き、授業を受け、帰ってきて、寝る。
こんな何の変哲もない毎日がただただ繰り返されるのだ。
そんなある日…
「まゆっ!!危ない!!!!」
ドサッ……
体育の時間に前を見ないで走ってきた男子とぶつかって足を捻挫してしまった。
「いっ…たぁ……」
足は赤く腫れあがった。
この日私は早退して母と病院へ向かった。
「中度の捻挫ですね。全治5、6週間はかかると見ていた方がいいでしょう。また来週病院に来てください。」
お医者さんにはそう言われた。
「お母さんまだ仕事残ってるから家に帰って1人でも大丈夫よね?」
私がうなずくとお母さんは何かあったらLINEしてね、と私を部屋まで送ってくれた。
私の手には松葉杖が握られている。
次の週、また私は病院へやってきた。
今日は帰りにお母さんが迎えに来てくれるだけで病院では私1人だ。
もう高校2年生なんだから当たり前だけど。
「呼ばれるまで時間かかりそうだなぁ…」
予約券を手にしてぼそっと呟いた。
整形外科はいつも混んでいて座るところを見つけるのにも苦労するくらいだった。
私は松葉杖をつきながら病院の中を少し見て回ることにした。
平日なのに大きな病院ということもあり、どこも混んでいた。
エレベーターで2階へ上がると内科がずらりと並んでいた。
呼吸器内科、循環器内科、糖尿病内科…
と見ていると血液内科の待合室に私よりすこし年下くらいの男子がいた。
肌が白くて髪は栗色で目は透き通るような茶色。
とっても綺麗で思わず目が離せずにいると、その男の子が微笑んだ。
「あっ…」
思わず声がでた。
その男の子は立ち上がって私の方へ歩んできた。
「こんにちは。迷子?」
その男の子はとても優しい声をしていた。
そして座っている時にはわからなかったが、少し私よりも背が高い。
「えっ…いえ…違います」
その男の子は少し不思議そうに私の足を見つめた。
「整形は1階だよ。転んだら困るから僕下まで送るよ。」
そう言ってくれた。
「ありがとう。」
「僕は琥珀。森琥珀。」
ゆっくり廊下を歩いてる途中に彼はそう言った。
「私は城田真由。よろしくね」
そういうと彼は嬉しそうに微笑んだ。
「琥珀くんはさ、どっか悪いの?」
「友だちのお見舞い。」
彼はそう答えた。
じゃあもう会えないかもなぁ~とか私は思ってた。