「そういや……内倉も許してやってよ。あの子猪突猛進だから無神経なこと言いがちだけど、悪気はないから……というかさっき魂抜けたみたいな状態で死ぬほど落ち込んでた」



俊くんが苦笑いする。



兄が来たことですっかり忘れていたが
私、優亜に酷いこと言ったんだった……。



「わかってる……わかってたのに優亜に酷いこと言っちゃった」



「大丈夫。よしよし」



泣きそうな顔でもしていたのだろうか?
俊くんは私を引き寄せ抱きしめると
そっと頭を優しく撫でるーーーーー。



落ち着く……。



「俊くん、ありがと」


「どういたしまして。」


明日ちゃんと優亜に謝ろう。


「菜々……お兄さんとあってから様子変だけどさ」



ふいに兄の話が出てきて身体が強ばる



「無理には聞かないけど……俺はずっと菜々の隣にいるし、困ったときは助けてやるから心配すんなよ?」



だけど、そんな強ばった私の体を
その優しい言葉で解してくれる……。


「助けてやる……って。上から目線ね……」



私がクスッと笑うと


「当たり前」


彼も悪戯に笑ったーーーーーーー。