気づけば隣には、メガネをクイッと上げながら、制服をきっちりと着こなす男子生徒が立っていた。

彼はクラスの情報屋的な立ち位置で、皆から『メガネくん』と呼ばれている。ちなみに本名は忘れた。

「メガネくん、アイツらのこと知ってるの?」

私は下で集団となっている奴らを指さす。

「もちろんですとも!有名ですからね」

「そうなの?」

確かに、厳ついバイクを並ばせてることから、ブイブイ言わせてる系の奴らなんだってことは予想できる。


「彼らは、『青龍』と呼ばれる暴走族です」

「い、たたたたた!」

青龍って!いたいよ!今どきいるの?暴走族って!

私のバカにした反応に、メガネくんはムッと口を尖らせる。