悔いが残るけど、また頑張って綺春くんを誘って遊園地に来れたら、その時は絶対にリベンジしよう。
そう心に決めたわたしに、綺春くんは言ったのだった。
「椿たちまだかかりそうって、連絡来てた」
「えっ、…そうなの?」
「混んでるみたいだよ、お化け屋敷。だから、多分乗る時間ある」
綺春くんは三船先輩とやり取りをしているのか、何やら文字を打ち込んだ後スマホをポケットにしまった。
それからわたしと目を合わせ、
「行こ、観覧車」
いつもはハテナをつけてわたしにどうするかを聞いてくる綺春くんが、はじめてわたしを誘ってくれたのだった。