『………………。』


麗は捕まれた腕を
もう片方の手でさすっていた。


良く見ると捕まれた所が
赤くなっていた。


一瞬だったけれど
凄い力で捕まれたんだと実感した。


そして先ほどの生徒会の声が
最近どこかで
聞いた事があるような気がした。


しかし
行事にほとんど参加していないので
生徒会の顔や先生の顔すら
あまり覚えていない。


『……あ。バイト遅れる!』


電車は待ってはくれない。
麗は急ぎ足で駅へ向かった。