ムキになったわたしは堂くんから距離をとる。

せいいっぱいの反抗の構えだ。


それに気づいた堂くんがぐっと眉根を寄せる。



「俺が凍え死んでもいいのか?」

「いや死なないよ!……え、死なないよね?さすがに……え?」


だんだん心配になってくる。

だって、そういえば、うさぎだって寂しくて死んじゃうこともあるらしいし。

堂くんだって寒くて死んじゃうこともあるのかも……?


ありそう……いや、たぶんある!



「め、目の前で死なれちゃ困る……」

「だろ」


はやく来いと言わんばかりに腕を広げられる。


わたしはおそるおそる、その胸に中に収まった。

速いとも遅いともいえない鼓動が直に伝わってくる。