またいつものように、ふたりだけ残ったわたしたち。
「堂くん、起きて」
触れた肩じゃ温度が伝わってこなかった。
左腕を枕にして、右腕はだらんと前に伸ばしている。
寝ていることを確認して、そっと右手に触れてみた。
氷のようにつめたい。
それでなぜかホッとしてしまうんだから、わたしもずいぶん感覚がおかしくなってきたんだと思う。
同時に、なんでこんなに冷え性なんだろうと疑問に思った。
家族で冷え性の人はいないんだよね。
だったら堂くんのここまでの冷え性は、一体どうやって……?
「……みくる?」
「っ、あ、起きた?おはよう」
考えこんでしまっていたらしい。
堂くんの指先がかすかに動いたと思ったら、あたたかさを求めるように絡められる。
自分とは違う体温がまざって、ひとつに溶けあっていく。そんな感覚。
まだ寝ぼけているのか、それとも氷を溶かしたいのか。
にぎっているわたしの手に、もぞもぞと指を這わせている。
なんだかその様子が猫のようで可愛くって。