ルナちゃんたちと和解したことを放課後、堂くんに話した。

和解はしたけれど、仲は戻らなかった。


そう伝えると、堂くんは約束通りハグをしてくれた。

わたしの目が赤いことにも気づいていたんだと思う。

だけどそれには触れられず、ただ黙って抱きしめてくれた。



「これでよかったのかな」


堂くんの胸のなか、誰に言うともなくつぶやいて。


これでよかったんだよ、と自問自答する。



これでよかったんだ。

ルナちゃんたちにとっても、わたしにとっても。



……でも。




「うぅ~……いたい、よぉ……いたい…、」


ぼろぼろっと涙が滝のように溢れ出してくる。

さっきまでずっとトイレで泣いていたのに。


堂くんの胸元がどんどん濡れていく。


わずかに残っている理性と罪悪感でわたしは顔を離そうとした。


だけど堂くんがそれを許してくれない。


むしろ、ぐっ…と。

わたしが息苦しくならない程度に、抱き寄せられる。


制服のボタンがちょうどまぶたに当たっていた。