でも、しょうもなくなんかない。
そう信じて、涙をこらえて。
わたしはあの日、初めてルナちゃんと話した日。
返せなかった笑顔を、ここで返した。
「朝。わたしがおはようって言ったら、おはようって返してほしい。それだけで……いいから」
ルナちゃんは呆気にとられたような顔。
もっと難しいことを要求されると思ったのか、それともわたしのあまりにも情けない笑顔がツボだったのか。
すこしだけ笑って、すぐに視線を空に戻した。
「…………わかったよ。それで全部チャラね」
なにをチャラにするんだろう。
たぶん、わたしたちの関係をだと思った。
たった半年、されど半年。
白紙に戻ったわたしたちの関係と同じように、どこまでも続く青空には雲ひとつ浮かんでなかった。