「……あのね、ルナちゃん」
「うん」
「放課後。カフェに行きたい。わたしもカフェで、お茶したい」
ずっと言いたかったことと言われて。
もちろん他にも言いたいこといっぱいあった。
だけどなぜか口をついて出たのは、これ。
ルナちゃんは乾いたような笑みをもらした。
「勝手に行けば?一生行かないよ、みくるとは」
「……なんで?」
「みくるといるとムカつくから」
どこかで聞いたことのある言葉に、ざらりとしたものが胸を覆う。
思わずルナちゃんの顔を見ると、彼女は空を見あげていた。
「醜い自分がいやになる。もうあたしも疲れたんだよ」
「……ルナちゃん」
「あたし。あんたのその髪は好きだった」
「ルナちゃん。もう一個おねがいがあるんだけど」
「なに?またしょうもないことだったら帰るよ」
一瞬、ぐっと言葉につまる。