夜になると、タチバナ君が戻って来る。


「ただいま。ブーゲンビリアちゃん」

「お帰り。タチバナ君」


わたしはタチバナ君の動向をそっと見つめ続ける。


「お土産を買って来たから、後で見てくれるか?」


……良かった。


「どうしたんだ?ブーゲンビリアちゃん」


今夜も、タチバナ君は荷造りを始めようとはしない。


「何でも無いわ」