今日も、再び、扉が(ひら)かれる。

扉の奥から姿を現したのは、一人の若い男性だった。


わたしには何の関係も無いけれど。

考えていながら、男性を見つめる。


男性が唇を開く。


「初めまして」


少し低い、澄んだ声。