「おれ、そろそろ引っ越しを考えているんだ」


結局、わたしは、この場所から見守るだけの存在。


「予定していた資金が貯まったんだ」


……見守る事しか出来ない。


「もう少しで、この部屋を出て行く事になると思う」


あの日から、お別れは決まっている。


「ブーゲンビリアちゃん」


そう考えていた。


「おれと、一緒に来てくれるかな?」


この瞬間までは。