「はぁ、だいじょぶか花園?」


壁側に居たわたしの方まで駆け寄りしゃがみ込んで、手を差し出してくれた。


「あ.. ..はは、大丈夫ですよ...これくらい」

差し出されたその手を取った。


乗せた手を軽くきゅっと握られる。

──ッ

「...無理すんなよ。手、震えてる....」


「あ、....すみません。すぐ止めるので」


早く震えをとまらせなきゃ

先輩に迷惑がかかる。


「そうじゃねぇよ。怖いなら泣け、無理して笑うな」


うっ──。


先輩の優しい言葉に泣けずにはいられなかった。

泣き始めたら震えまで出てきて。


先輩はそんなわたしの頭をポンポンって泣き止むまでしてくれた。