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「おやすみ、星名」



最近、瀬尾の家で寝ることが増えた。

相変わらずお母さんは帰って来なくて、私は瀬尾の待つ深夜の公園へ行く。そして彼は、さも当たり前かのように「帰るかぁ」と言うのだった。



瀬尾のお兄さんには何度か会ったことがある。

お兄さんだって毎日彼女の家に泊まっている訳では無く、週の半分以上はちゃんと家に帰っているらしい。弟想いの良い人だ、と思った記憶がある。



そして今日は、' 週の半分以下 'に該当する日らしい。



「今日は2人きりだぞ星名」

「、ふぅん」

「可愛くないなー。普通男と2人ってドキドキするもんだろ」

「…瀬尾は別。慣れたよもう、」





なんて、そんなの嘘だけど。

瀬尾の部屋で、2人きり。ベッドに入って背中を合わせるくせに、数分の沈黙の後、「おやすみ、星名」という声を合図に彼は私の身体を後ろから包み込む。